前回まではチェーンとスプロケットの洗浄を行いました。
今回はリアホイールのラチェット音を小さくするためにグリスアップを行なってみます。
2度目のラチェットグリスアップ
今回整備するホイールは、2021年6月に1度ラチェット部にグリスアップを行なっています。
今でも何も問題無く、充分な効果を維持し小さい音で消音ができています。
(他の自転車のラチェット音と比較しても静かなもんです)
1度目のグリスアップの模様
しかし、欲というのはその先を求めるもので、タダでさえ小さいラチェット音なんですが、整備した時より微妙に大きくなっていることが気になるんです。
今度は前回よりもグリスを多めに導入し、ラチェット音を限界まで小さくして、イイ感じの静かでおとなしい忍びの自転車にしてみようか?
という考えになっていました。
私の理想では、漕いでいない状態でほぼ無音!というところまで持っていきたいのですが、そんなにうまい具合にいくのでしょうか?
ハブ分解のために10mm六角レンチを用意
数日前にフリーハブボディの取り外しに挑戦したのですが、手元に『10mm六角レンチ』が無かったためにフリーが分解できずに諦めていました。
今回は会社から自分の工具ボックスに入っているTRUSCO『10mm六角レンチ』セットと同僚の10mmレンチ1本を
持ってきましたので今度こそフリーハブボディを取り外せます!
ではラチェットのグリスアップ、始めて見ることにします。
ホイールを外す
新聞紙を敷き、自転車を逆さまにしてホイールを外します。
前回スプロケット取り外し工具を使ってスプロケットを外しましたが、
実は工具のチェーンピッチとスプロケの歯のピッチがどうも合わなく、噛み合わせが悪いためにギアから外れてしまい、外すのに苦労していました。
前回の工具は十数年前の古い工具でスプロケが「9速の時代」のモノでした。
家にはもう一つの工具「10速の時代」に購入したものがあったのでちょっと比較してみました。
赤の「9速カセット時代の工具」と「紺の10速カセット時代の工具」
なぜかわかりませんがチェーンのピッチが微妙に違っているようです。
カセットスプロケットを外す
赤い昔の9速時代の工具で外れやすかったので今回は紺の10速時代の工具で外してみます。
なんか11速のスプロケに10速時代の工具でもしっくりこない!
それでも何とか外すことはできましたが、この2種類の工具、チェーンの幅が広いためにうまくかみ合わなかったのかなぁ?
本当はちゃんと現在のスプロケに合う工具を揃えておくべきかもしれません。
ロックリングを外して・・・
スプロケットを外しました。
フリーハブボディを外す
5mm六角レンチ2つを使いフリーハブボディ側のナットを外します・・・
前回はフリーハブボディ側のナットが外れなくて諦めましたが・・・
今回はフリーボディ側のナットがうまく外れました。
こっちが外れなかった時用に10mm六角レンチを用意しましたが必要ありませんでした!
フリーハブをそっと引き抜くと・・・
汚れていますが、1年5か月前のグリスは不足する事無くキチンと潤滑していました。
6箇所のラチェットのツメが見えると思います。そのツメが、
フリーハブボディ側のギアにうまく噛むようになっています。こちらもグリスが汚れていながらもたっぷりと潤滑されているようです。
1年5か月だけでもこれだけ汚れているので、数年も手入れをしないと汚れどころかそのうちグリスも無くなってくるんでしょうね。
ラチェット側のグリスをティッシュとウエスを使って綺麗に拭き取りました。
それぞれのラチェット(ツメ)の調子は良く「カチカチ」と動き、動作に問題ありません。
フリーボディ側のグリスも拭き取って綺麗にします。
ラチェット内部が綺麗な状態になりましたのでいよいよグリスアップをしていきます。
グリス注入
前回と同様、『シマノ プレミアムグリス』を塗っていきます。
「プレミアムグリスは粘性が硬めなグリスなのでフリーボディには適さない」
と巷で言われているのも知ってはいるのですが、前回の導入でも問題無かったので同じく使用してみます。
たっぷりと・・・との考えで内側が埋まるほど盛っちゃいました。
(うわっ、多すぎた!)
平滑に均してそぉっとフリーボディを上から被せ・・・
はみ出るくらいにグリスが出てきた!!(当然だろっ(汗っ!))
締め込む前にホイールを回転させてこの状態でラチェットの様子を見てみます・・・
大失敗!!
えっ!
ヤバい!!
ラチェットが利かなくなった~!!!
フリーボディを持ってホイールを回すと、ラチェットが機能しなくなり
どちらにも回ってしまう!
これじゃクランクが空回りして自転車が漕げない!
どうやらグリスが多すぎてツメが奥に凹んだままになり、
バネの力が満充填されたグリスに負けてフリーボディのギアまで戻らなくなってしまったようです(◎_◎;)
仕方がありません、やり直し!
グリスを一度拭き取ってラチェットの動きを元の動きになるまで戻します。
今度はこの程度のグリスにしてフリーボディを嵌め、もう一度挑戦!
これでもダメか!!
グリスが重く動作を制限しているため先ほどと同じくラチェットが戻らない!
巷で言われている「シマノのプレミアムグリスは硬め」と言われていることを実践で失敗して初めて納得しました。。
このことを言ってたのか・・・
もうちょっと柔らかいグレードのグリスだったらラチェットの動きも良くなるのに。。
2度目のグリス拭き取り。
もう手がグリスだらけでべちょべちょ。
汚れた手でスマホを触るのもイヤや。
グリスを減らして何とかなった(;^ω^)
画像を撮るのも億劫になっていましたので最終グリスアップ画像は撮れませんでしたが、ほどほどのグリス充填(2度目の半分程度のグリス量)で3度目はラチェットがうまくギアに掛かるようになりました。
フリーボディの上部のナットを取り付けて・・・
スプロケットを取り付けて・・・
ホイールをフレームに取り付けて完成!!
フレームに取り付けて消音ホイールセットができあがりました!
クランクを回し後輪を回転させて確認します。
果たしてグリスアップの出来は??
思いっきり消音されたわけではありませんが、1年5か月前の初めてグリスアップした時と同程度の静かさ!
高速でホイールを回すと
今までが「シャーーーー」(それほどうるさくないですが)って鳴っていたところ・・
「ウゥーーーー」 っと金属音がほとんどせず静かになり
スピードが落ちてくると途中で「シャーーーー」という小さい金属音に変化してきます。
それでもグリスアップをする前の音より消音できているので成功ではないでしょうか(^^)/
音を限界まで小さくすることはできませんでしたが、今回勉強になったことは・・
” シマノ プレミアムグリスは硬い!” ということ。
(決して否定しているわけでも、使用して悪いわけでもありません、標準の使用法であれば問題ありませんので悪しからず)
粘度が柔らかいグレードのグリスを使えば、ラチェットの動きもそれほど制限されることなく、プレミアムグリスより多めに注入できるので、もう少し消音に貢献することができるかもしれません。
取り敢えず、失敗はありましたがラチェットの消音対策は無事にできました。
(次回への成功のもとになりました)
また機会があればグリスのグレードを換えたパターンでも挑戦してみたいと思います。
※私の『REYNOLDS』ホイールの場合の作業でしたが、メーカーにより分解方法、構造が異なります。
グリスアップに挑戦される場合はよくご確認の上、作業を行って頂くようお願いいたします。
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