去年の4月に「LOOK795」のシフト変速ができなくなったことがありました。
確認してみるとディレイラーハンガーが曲がってしまい、プーリーが本来の位置ではないために、小さい側のギア(トップギア)に掛からない現象が起きてしまいました。
また、クランクを逆回転に回すとチェーンが外れる現象も同時に起こっていたんです。
出先で立て掛けておいた自転車が風で倒れたときにディレイラーハンガーを曲げてしまったものと思われます。
その時はブログ記事でもあげていましたが、自転車購入時に予備で付属していたディレイラーハンガーと交換することで無事に元に戻すことができました。
曲がったディレイラーハンガーを直す
現在使用しているディレイラーハンガーも、またいつ風で倒れて曲げてしまうことになるかもしれません。
このままではもう予備となるハンガーが無いので不安でしかない。
以前の曲がった不良のディレイラーハンガーがパーツ群に埋もれていましたので、本日この曲がりを元どおりに修正して予備パーツとして再利用できるかやってみることにしました。
曲がったハンガーがこれです。
まともに見えますが、横から見ると・・・
2、3mmでしょうか?
これだけ曲がっています。
ディレイラーハンガーが曲がると・・・
交換した時の画像です。新品との比較画像がコレ。
上が新品。
下が2、3mmほど曲がった不良品。
この曲がりがあったので・・・
ギアをトップに入れたつもりでもディレイラーが路面に対して垂直にならず傾いてしまい、トップギアに入らなくなってしまっています。
ローギアではチェーン落ちの可能性も出てきます。
また、クランクを逆回転で回すとチェーンが傾いているため、フロントのチェーンリングから外れてしまう現象が起こります。
万力2つを使って曲がりを修正してみる
会社の休憩時間に工作室を借り、ディレイラーハンガーの曲がりを修復してみます。
平らな定盤で作業します。
曲がっている場所が厚めの8mm取付部分と、U字型した薄い4mm部分の境界線で曲がっていますのでこの部分が平らになるよう修正します。
ペンチ、プライヤーなどを使用すると一様な平面全体の修正が難しそうなので、広い面を固定できる万力を使いました。
固定する側を万力で挟みます。
曲げる側も別の万力で挟みます。
※万力同士、お互い挟んでいる図
重量のある大きい万力なのでテコ代わりにもなり、アルミ材質のハンガーも簡単に曲げることができる状態になりました。
少しづつ曲げるのがコツ
ここから2、3mm程度の曲がりを ”感” で曲げていきます。
曲がりを何度も曲げたり戻したり繰り返すと金属疲労を起こして折れてしまう可能性があるので、微妙な力加減で少しづつ力を加え曲げを戻してみます。
ちょっと力を加えては外して、定盤に当てて平面が出ているか確認します。
これを4、5度ほど繰り返してやっと平面が出ました。
2mmほどあった曲がりが修正できた
平面に置いても持ち上がりが無いことを確認できました。
スケールの直線でも確認。
ノギスで確認しても、曲がりがほぼ無くなったを確認できました。
予備のディレイラーハンガーができました
一度曲がったアルミ板を元に戻しているので多少の金属疲労があり、新品のパーツより強度が落ちているかとは思いますが、非常用予備としてのディレイラーハンガーができあがりました。
もちろん本来では新品のハンガーの使用を推奨するところなのですが、
(非常用として)曲がったディレイラーハンガーは万力で修正するとまた元のように使用できる!
というお話でした。
ディレイラーハンガー図面を作ってみた
最悪、パーツ流通が無くなった時のために以前部品の寸法取りをして図面まで作っていましたので、その時は板金屋さんにワンオフで作ってもらうかもしれません。
ディレイラーハンガートラブルになると
ハンガートラブルに遭うと
●ディレイラーを真後ろから見ると垂直では無く曲がって取り付いている
●小さいギア(トップ)に入らない(入りにくい)
●チェーンとスプロケにポジションズレがあり位置ズレの異音がする
●大きいギア(ロー)とホイール間にチェーン落ちする
●ローに入れたときにディレイラーがスポークと擦る
●ペダルを逆回転に回すとチェーンが内側に外れやすい
という現象が起きます。
この現象に心当たりがあるようであれば一度ディレイラーハンガーの曲がりを疑ってみてください。
1年前に曲がった時のハンガー交換記事はこちらになります。
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