連休中、兄のいる清水の実家に帰省していました。
私の実家では十数年前まで両親が精力的に働いていた頃は山の畑をいくつか持っており、ミカンとお茶の農家をやっていました。
両親が亡くなった今ではその家に一人で兄が住んでおりますが、当たり前にサラリーマンをずっとやっていますので、相続したいくつかの山の畑は手入れもせず、ミカンの木やお茶の木も伸び放題、ジャングル状態で木がお生い茂って人が畑に入れないほどになっています。
この地区の殆どの跡取りが私の兄のように農家を継がずに畑を放置したままのようで、どうやら私の田舎のこの地域は両親の世代で終わり、農業が衰退し過疎化が進んできているようです。
清水でも山側の農村部であるため、小さい頃は兄弟で両親と山に登り、ミカン切りやお茶刈りと親の手伝いをしていた農家の息子でした。
山からの水を家まで引いている
そんな山深い場所ですから
水は山から引いた無料の天然水を利用しています。
小さい頃はそれが当たり前だと思っていましたが、数十年前から地域で市の有料の水道を引くことになり、
なんと不思議なことに私の実家では流し台に2つの蛇口があります。
右側が山からひいた無料の冷たい水。
左側が市の有料の水。
小さかった頃は山で取れたトマト、ナス、スイカなど夏に冷やしておくと美味しい野菜などを1日中水を出しっぱなしで冷やしていました。 そうです、川の流れてくる水をそのまま使っているかような使い方です。
東京に出てくるまで水なんて無料みたいなものだと思っていましたが大きな間違い。
海外に行くようになり、水の大切さを知り、水をタダで飲める実家ってなんと贅沢をしてきてたんだろう、と改めて自然豊かなところに住んでいたものだと感心するほどです。
現在では山の水は完全にろ過できずに菌がいるかも・・・という噂を聞いた不安から、兄は飲み水として使わず、主に洗車やトイレやお風呂で使っているようです。
(昔と同じ山の水を引いているのでそれでも問題無く美味しくて冷たい綺麗な水が飲めているはずなんですが)
山の水道の源流の掃除をする
そしてこの日、兄が
「今日、地区の当番になっているから裏の家のIさんと山の水を引いている水道の掃除をしに行く」
と、掃除スケジュールが入っていると。
水道を引いている貯水場まで行き、砂利、落ち葉などパイプの入口に邪魔になる異物を払いに行く作業をするらしいんです。
それなら自分も水道の源流に行ってみたい!
手伝うから一緒に行くよ!
「いや、腰が悪いから見ているだけでいいよ。山深いところまで行くと何かあると不安だから見ていてくれるだけでいい」
ということで兄とIさん2人で行く軽自動車に乗せて貰い、水道の貯水場に。
コンクリートの山道を上って行き、クルマでいける末端まで辿り着きました。
途中途中でコケでスリップする場面多し!
山の水からパイプに入る場所を掃除しますので掃除中は水が汚れます。
なのでいったん給水タンクのバルブを閉める必要があります。
貯水タンクのバルブを閉める
まずは給水タンクに行き、山の汚れた水がタンクに入ってこないように右側のバルブを閉めておきます。
この給水タンクはクルマで行ける場所にありますが、掃除に行く場所はまだ山のちょっと上のほう。
クライム
ほうきとスコップを持って登って行きます。
途中では丸太の橋が掛かっており、ちょっとしたスリルを味わえるアトラクションになっています(^^;)
兄は何度も掃除に来ていることもあり慣れているふう。
待って~!
自転車のヒルクライムでは無い、普通の山登り『クライム』をやっています(^^;)
こんな感じの山が実家のすぐ近くにあります。
私、東京に住んでいますが、すごい田舎で育ったものです(;^ω^)
(なので自転車のヒルクライムで山に登って緑の景色を見ても、小さい頃からこの景色を見ているので、ほかの人より実は感動が薄いと思われます)
こんな場所に一人で行くのは不安(以前は1人で作業していたと言ってました)なので、数人であれば確かに心強いですね。
私、とても一人ではここまで来れない!(>_<)
何かあってもスマホが繋がらないので助けを求められず自力で山を脱出するしかありません。
引き込み源流 貯水場の掃除!
到着しました。
ここが貯水場。山の谷から流れてくる水を利用しています。
この画像では堰き止めていた板を外して水を抜いています。
兄の足元にあるパイプから入った水が地区の各家庭に引かれている水道の源水となります。
このプールに溜まっている砂、砂利、枯れ葉、水草をスコップ&ほうきで水の勢いに任せて一緒に下流に流し出します。
余計なものが溜まってパイプ詰まりを無くすための作業です。
水の勢いが激しいので溜まっていた砂利はあっという間に堰から流れ、貯水場が綺麗になっていきました。
左の男性が私の兄。右の女性は今年の3月まで渋谷に住んでいてそちらを引き払い、清水の実家に戻ったばかりの従姉のIさん。
こんな清水の山の中ですがIさんは数十年も渋谷に住んでいる都会人。
代々木公園は自分の普段の散歩コースだと言ってました。
私とも渋谷で数回ほど飲みに行ったりして仲良くしてもらっています。
兄から「手伝わなくていい」ということなのでただ見ていただけの私、何の役にも立っていません。。
手伝えたのでしょうか(^^;)
貯水場所をきれいにした後は堰き止め板を元に戻して綺麗になった水を溜めます。
あっという間に満タンになり、綺麗な貯水場所となりました。
作業もほんの15分程度。
貯水タンクのバルブを開ける
終わって先ほどの貯水タンクまで戻り、バルブを開放してきれいな水が入るように戻しておきました。
掃除完了
貯水タンクの中はろ過機構が設けられており、ろ過され、その後にもう一度別の貯水タンクで分配され各家庭に流れていくようです。
帰り道はこんな感じで、軽自動車でもコケが生えている滑りそうな路面。
野生動物に注意!
ここらへんでは、鹿、狸、イノシシ、ハクビシンなどが出てくるようです。
クマがいないだけでもマシでしょうか(^^;)
こんな山の水を引いている実家に住んでいた私でした。
山の天然水って家の蛇口からでも冷たくてほんっとにおいしいんですよ。
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