前回『【私のアルバム 懐かしのバイク特集】 ~ 大型バイク編 ~』
を紹介しました。
小型編、中型編、大型編と全て紹介してバイクネタは全て終わり。
と思っていたのですが、海外でレンタルした時のバイク写真も一緒にでてきましたので、
番外編として
海外ツーリング アメリカ編
当時のストーリーをあげてみたいと思います(^^;)
アメリカ サンフランシスコにて
写真の日付でわかりました。1994年6月5日のできごと。
その当時、私が勤めている会社では二年に一度のイベントとして『海外社員旅行』を行なっていました。
旅行のために個人の給料から積み立ててはいたのですが、旅費費用の一部を会社で持ってもらえていましたので半額ほどの旅費で行けたんじゃないかと思います。
今思えば30~40人もの旅行だったので景気がイイ時だったのかもしれません。。
『アメリカ サンフランシスコ』の時の社員旅行話になります。
『地球の歩き方』を片手に持って
サンフランシスコへ着くと、社員合同でバス観光したり、夕食を取ったりするのですが、自由時間では仲良しグループで移動したり、ひとりで好き勝手に行動できる日があります。
インターネット元年は1995年ということもあり、
当時パソコンは社内にあっても、1994年はまだインターネットなんて無いそんな時代。
まして携帯電話など存在していませんので、海外旅行でも紙の地図を持って行ったり、
また海外旅行のバイブル『地球の歩き方』というガイドブックを購入して個人個人調べて旅行を楽しむ人が多かったかと思います。
そこで私は「地球の歩き方」に載っていたサンフランシスコのレンタルバイク屋を当てにして、
サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ一周をオートバイで走り抜ける
ことを予定してみました。
バイク屋に着くと・・
一緒にバイクに乗る相手がいなかったのでリュックをしょって「地球の歩き方」を片手に、一人でホテルからレンタルバイク屋まで20分ほど歩いて向かいます。
バイク屋に近くなればなるほど、周りの風景が殺風景になり、うろうろとする人物が増え、たまり場的な怪しい雰囲気が。
私を見ている視線が痛く、もしかして襲われてしまうかもしれない、、というドキドキ感で動悸はMAX状態。
アメリカのライダーはアメリカンに乗るアウトロー的なそんな人たちが集まっています。日本のライダーとは存在感がまるで違う!
(こんなヤバい場所だとは「地球の歩き方」に書いてなかったよ・・)
バイク屋前には映画で見るようなひげを生やして、Gジャンのジャケットを羽織っている怖そうなバイク乗りのお兄さんたちが集まっている・・・。
カッコイイ言い方をするとしたら映画のワンシーンの中に自分が入っているよう。
その周りの目を気にしながらお店の中に入っていきます。(こんなところに来るアジア人も珍しいのかもしれない・・)
店のオーナーに身振り手振りと「地球の歩き方」を見せ、
「このガイドブックを見てバイクを借りにきたのだ」と説明し、ヘルメットも持参していたのでレンタルを希望していたのをすぐ分かった貰えたようでした。
現金先払いをし、一日レンタルでバイクを借りることができました。
店のオーナーからは、
「夕方は店が閉まる×時までに戻ってこい」
「ガスは「ハイオク」を入れ満タンで返すこと」
「コレが「U字ロック」だ。駐車時は必ずこのロックを掛けるようにしろ」
「トラブルがあったらココに電話してこい」
「以上がすべてだ!」
という、絶対守らなければいけない四か条を一通り聞きました。
それにしても「U字ロック」ってデカくて頑固な重いロックを手渡されました。
さすがアメリカン!
そして
お前が乗るバイクはコレだ!
有無を言わさず出されたバイクが・・
BMW R100R BOXER
水平対向エンジンの1000㏄のBMW。
(水平対向エンジンなんて乗ったことが無いよ、確かこれ、癖があって車体が傾くって聞いていたやつだよな)
デカくて重い「U字ロック」はサイドバッグが付属していたのでバッグに収納できて助かった。
– BikeBros HPより引用 –
私のツーリングルートはこんな感じで予定していました。
・フィッシャーマンズワーフから
・ゴールデンゲートブリッジ 101号線を渡り
・580号線に移り
・アルカトラズ島を中心に陸地をぐるっとオークランドに回って
・80号線の橋を渡って
・レンタルバイク屋まで戻ってくる1周およそ4時間コース。(地図で時計回り)
右折の仕方が馴染まない
実際にBMWに乗ってみてアクセルを煽るとやっぱりアクセルを開けるたびに車体がグワッと傾く。
怖さは無かったものの並列シリンダーと違い癖がひどい、がちょっと走ると慣れてはきました。
やはりアメリカ本土を走るのはビッグバイクが余裕があってアメリカの広い道路の景色にハマる。
欲を言うとハーレーで走りたいところだったが「BMW R100R」もなかなか「癖」(味)があって良いものだー(^^)/
アメリカの道路はご存知の通り右側通行。
走り出すと右側を走ることにも慣れてくるんですが、交差点に入って右に曲がるまで気がつかなかったことがあります。
それは・・・
「赤信号でも左側からクルマが来ていなければ、右折しても良い」
という交通ルールがあるってこと。
知らないで交差点を右折しようと思い赤信号で右端に停止していると・・・
後の車からクラクションが「ブゥワー!」と大きな音で鳴り響きます!
(え、信号が赤だよ!もしかして進んでいいの?)
ドキドキして対向の右折車を見ると平気で曲がっていくではないか。
ポリスに捕まらないか心配になりながらも右折を進むと後ろの車が私を抜き、次々と曲がっていきました。
この時点で曲がっていいことを知り、赤信号でも右折をしていきますが、
なんか・・
この日の右折は最後まで慣れませんでした。
ゴールデンゲートブリッジをバイクで走る
紙の地図を確認しサンフランシスコの街から『ゴールデンゲートブリッジ』までの道を一生懸命に暗記します。
そして
うまい具合に橋に乗ることができました!
アメリカ大陸オートバイツーリングも初、ゴールデンゲートブリッジを走るのも初、橋の上からアルカトラズ島も見ることもできました。
映画で見ていた橋の上の景色は今でも忘れません。
そんなバイク乗りの私ですが、サンフランシスコもクルマ社会でバイクに乗っている人は数えるほど。
ゴールデンゲートブリッジを渡るバイクは対向車を含め自分くらいでした。
お昼にファミリーレストランに寄ってみた
お昼になったのでファミリーレストラン(デニーズ?)に寄ってみました。
どんな食事をしたか忘れてしまいましたが、初めから出されたコーヒーは飲んでも飲んでも注ぎに来るウェイトレスがいて、お腹はちゃぽちゃぽ状態。いい加減に途中で手で蓋をして「ノーサンキュー」と言ったほど(^^;)
アメリカのファミレスでチップを渡したのも初めてでした。(何もかもが新鮮!)
ランチ時の駐車場にはバイクは一台も停まっておらず、バイクを盗まれたらどうしよう?と、借りていた頑丈なU字ロックを使っても気が気では無く、食事の味も覚えていなかったほどでした。
なんせ、ここはアメリカ。怪しい奴がすぐそばにいるかもしれないし。
日本に無い『ETC』を初めて見た!
80号線に移り、海に掛かる橋を渡る有料道路で奇妙な光景を見ました。
有料道路の料金所の入口で素通りする車のゲートと料金を払っている車のゲートがありました。
当時日本では『ETC』というものが無かった時代。
私はこの光景を見て、何かしら「ゲートと車とで双方向通信して現金を払わなくても通れる方式を取っているんだ!」
と直感的にわかり、自分はそこを通ってはいけないことを知ります。
素通りして通ることはできないので「現金を払うゲート」に並び、無事現金を支払って通行できました。
私、日本でETCを見る以前にアメリカで体験していました。
交通量の多い道路でしたが料金所で渋滞することが無いこのシステムに感動した記憶があります。
ガスステーションでの料金の払い方
サンフランシスコ郊外まで戻ってきました。
バイク屋オーナーが言っていたようにバイクを返す前にガソリンを満タンに入れておかないと。
スタンドに寄ります。
当時、日本ではセルフのスタンドなど無く、全てがスタンド員が給油していたので自分で給油ガンを使い入れることができるかドキドキ。まして日本とはスタンドの様子が違う。
日本のように給油機の前にバイクを止めて、「ハイオクを入れろ」と言われた通り、ハイオクの給油ガンでタンクに入れようとしますが、燃料が全然出てきません。
あたふたしていると、奥のほうから「チャージ!チャージ!」と声がします。
(チャージってなに言ってるんだろ?)
そちらに行ってみると「カードを出せ」と言ってる。
よく判らず「クレジットカード」を「これか?」とチラつかせると「それだ!」と。
渡すと「よし、これでOKだ」と燃料を入れるように指示がありました。
そうすると問題無く給油ガンからハイオクガソリンがタンクに流れ満タンにすることができました。
どうやら、セルフでも勝手に燃料を入れられないようにクレジットカードを人質に、詰所で燃料をONするスイッチを入れているようです。
なるほどー。そういうシステムか。
その後はクレジットカードで支払ったか、現金で支払って満タンにすることができました。
(注:昔のことであり、現在はどのような支払い方法がとられているか知りません)
バイク屋に戻る
サンフランシスコの海を一周して、事故に遭うことも、窃盗にあうことも無く無事にバイク屋まで戻ってくることができました。
ハイオクを満タンにしてきたことを伝えました。
オーナーは怖そうなヒゲの風貌でしたが、「良いライディングだったか?」と聞いてきたので「とても楽しい一日だった。BMWは良いバイクだった」ことを話すと
あの怖そうだった顔がニコッと微笑んで握手を求めてきたので、こちらも「ありがとう」と言って握手を交わし別れてきました。
国は違っても同じライダー。
ほんの少しアメリカンライダーの気持ちが伝わった気がしました。
たまり場のような雰囲気の良くない区域からなるべく速足でホテルに戻りかえってきました。
私にとって短くも非常に充実した一日になりました。
28年前のサンフランシスコ ツーリング
この日一日で体験したこと
・バイク野郎が溜まっている場所でのバイクのレンタル交渉
・右折での戸惑い
・ゴールデンゲートブリッジをバイクでライド
・ランチでのチップ渡し、頑固なU字ロック
・初めて見るETCシステム
・ガスステーションでのカードチャージでの料金支払い
全てが初めての経験でドキドキし通しだったのを覚えています。
初の海外ツーリングにしては私にとって度胸が据わった経験だった。
1994年の28年前の話でした。
< ~ 海外ツーリング オーストラリア編 ~ につづく>
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