数日前、ロードバイク『LOOK795』のディレイラーハンガーを曲げてしまったため、予備で持っていたハンガーと交換作業を行った記事をあげていました。
その後ディレイラーポジションも元の位置に戻り、バイクは無事修理が完了しています。
交換して微妙に曲がってしまったハンガーを見てみると
曲面ばかりで構成されている部品だけど結構単純な形状をしている・・・
なんか・・・いけそうな気がする。。
コレ、自分で設計できるんじゃない?
ノギスで採寸し寸法さえ解れば1時間くらいで3D-CADで作れそう。
お昼の休み時間に『ディレイラーハンガーの設計』をしてみることにします。
コレを正確に作れば、部品が手に入らなかった時に自分のデータを板金屋さんに頼んでコピー品を作ってもらうことができますしね。
加工図面を製作して予備パーツの保険を作っておくことにしましょう。
ブログに3D-CADをあげるのも久しぶりになります。
ディレイラーハンガーの設計
じゃあ、お昼時間でちゃちゃっと始めちゃいましょう。
※寸法を公けにするとこの絵を元にコピーする人がいた場合、私のほうで責任を持てなくなりますので伏せておくことにします。
ベース形状を作る
正面図にベースになる寸法を現品から採寸し外形を決定する
高さを8mm持ち上げる
ベース形状をそのまま厚み8mmまで持ち上げ・・・
決定します。
その後、各エッジ部にR付けをして製品っぽくします。
ディレイラー調整ネジ台座を作る
一部の出っ張り「ディレイラーアーム調整ネジの台座」を追加して同じ高さに持ち上げて・・・
この形状になりました。
フレームに一致する高さの段を付ける
車体のフレーム厚みに一致するよう中間付近で4mm高さを指定し・・・
そこから下側をカットします。
全体が同じ8mmのままのハンガーでは厚いために曲がらずにフレームのほうが傷んでしまう可能性があります。
なので、ここの4mmの段が付いた場所にわざと応力が掛かって曲がる設計にし、フレーム側に衝撃のダメージが掛からないようになっているのかと思われます。
フレームを守るためにここが曲がったり、折れてしまう仕様になっているんですね。
エッジ部にR付けをする
外形ができましたのでカドにR付けをして外観形状の作業はおしまい。
M4タップを作る
2か所のフレーム取り付け用M4タップを作ります。
M10タップを作る
リアディレイラーの取り付け用M10タップを作ります。
完成!
タップ入口に面取りを作って完成です!
平面で見た感じ
その裏側
図面を作る
3D-CADは立体のパーツを作ると簡単に2D図面に反映させることができます。
立体時に寸法を登録していたので図面化するとその寸法は自動で図面に表示されます。(配置微調整は手動)
※ちなみにこの図面は詳細な部分までは仕上げていません。
図面上に
- 材質
- 塗装
- 後加工の有無
- メッキの有無
等の必要事項を記入したら出来上がり。
加工業者に発注すると○○○○円で作ってもらえ、私の図面に間違いが無ければ1週間ほどでワンオフのカスタムパーツが出来上がります。
レンダリングでCG化する
レンダリングを掛ければ本物っぽい写真が出来上がります。
ちょっと実物と比較してみましょう。
【実物】
【CG】
真っ黒では仕上がりが良く見えないのでシルバーの鏡面仕上げにしてあります。
まあまあ、本物とほぼ同じ形状の絵ができました。
※実はこの2枚の画像を見て、寸法取りを間違えて上部の部分が起き上がっていないことが判りました(^^;)
もうちょっと時間を掛けて仕上げるべきでした。。。
ディレイラーハンガーなので本当はこちらの向きで取り付きますね。
2個のM4タップでフレームに取り付き、M10タップでリアディレイラーがぶら下がります。
工場のサンプル画像に置いてみました。
以上
『ディレイラーハンガーを3D-CADで設計してみた』
でしたー。
<おわり>
他の自転車パーツの3D‐CAD
以下、過去に自転車関係のほかのパーツも作っていましたので興味がある方は
こちらからドゾ ^^) _旦~~
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