道端で弱って数日保護していたネコだったが、クリスマスイブの朝に・・・

日常

6日前、道で弱っていたネコをうちのおくさまが保護して診ていたんですが、

12月24日クリスマスイブの今朝、亡くなりました。

 

楽しいはずのクリスマスイブにこんな話もどうかと思ったのですが、これが私のクリスマスイブの出来事。

悲しいお話ですが記録しておこうと思います。

 

 

12月19日(土)

先週の土曜日の12月19日、ロードバイクで自転車トレーニングをして家に帰ってきたときのこと。

家に入ると、飼っているネコの「らんちゃん」とは違うネコの鳴き声が聞こえてきます。

部屋には「らんちゃん」が小さい頃に使っていたネコキャリーが引っ張り出され、その中には見たこともない痩せ細った白/黒のネコが入っているじゃないですか。

よく見るとそのネコは足を怪我をしており体を震わせていました。

 

 

 

おくさまの話によると・・・

 

近所を通ったときに道端で動けなくなっているネコがいました。

 

どうやら足に怪我をしており、縮こまって震えて動けない状態でじっとしています。

おくさまにはネコがクルマに撥ねられて負傷して道端で動けなくなったように見えたそう。

空からはカラスがそのネコを狙っています。

そのままではいずれカラスにつつかれ、イジメられて死んでしまうと思ったおくさま。

とても見過ごして通り過ぎるとこができずに、保護をしようと抱きかかえて家まで連れ帰ってきました。

 

怪我と衰弱が激しかったので(すぐに病院で診てもらわないと)と思い、昔使っていたネコキャリーを引っ張り出し、家の近所の「猫専用病院」に連れて行きます。

 

前足からは皮膚が裂け出血している状態。

野良ネコでツメを研ぐことがじょうずにできなかったため、足のツメが一周まわるほどに伸びてしまい、その鋭くとがったツメで自分の足の皮膚を切り裂いていたとのことです。

ツメが長く皮膚にくい込んで、痛みで普通に歩くことができなかったためで、交通事故で起きたケガではなかったことがわかりました。

 

病院でツメを切ってもらい、点滴を打ち、シリンジからペースト状の猫餌を口から入れてもらいます。

先生によると年齢は12歳くらいでもう年寄りのおばあさんネコとのこと。

でも体は痩せ細り体重は僅か1.8㎏しかありません。

 

足の切り傷は暫くすると治癒するとのことですが、口の中には口内炎ができており食べることも辛い状態で、最近では餌を口にできなかったようです。

 

この時点で先生からは

「からだも衰弱して自力で食べることもできません。残念ですがもう時間の問題かもしれませんね」

と言われます。

 

病院から戻ってきたところに私が帰ってきたということです。

 

この日はネコにペースト状の猫餌をシリンジで口に入れ、飼っているネコの「らんちゃん」と会わないようにおくさまの部屋でネコキャリーに入れて一晩過ごすことになりました。

12月20日(日)

名無しのままでは可哀想なので家族で名前を「ゆきちゃん」と名付けます。

この日も病院に連れていき、点滴を打ち、口から餌を入れてもらいます。

体重が昨日よりまた減っており、年寄りネコで体は成人なのですが、持ち上げてみるとぬいぐるみのように非常に軽い。

食べて体力を回復してくれたらいいのですが食べたいという意思が見えません。

それでも「にゃーにゃ―」と鳴き声だけは出していました。

12月21日(月)

ずっとキャリーの中では可哀想なので、おくさまの知り合いの方に連絡を取り、犬用のケージを借りることができました。

飼っているらんちゃんと顔を合わせないように候補になった私の部屋にケージを置き、そこで診ることに。

この日から私は「ゆきちゃん」と同じ部屋での生活になります。

 

ケージの中に猫餌と水を置いておくのですが、一日置いていても自分から食べることはありません。

なので私が体を手で押さえ、おくさまが嫌がる口を開いてシリンジで無理にでも餌を食べさせるというのが日課になりつつありました。

 

ネコ砂の中に少しのうんちとおしっこもしており、初めてのネコ砂ですが使い方はわかったよう。

 

体温が低い状態が続いていたので、ゆきちゃんが寝るタオルの下に湯たんぽを置き、夜の体の冷え対策を取りました。

12月22日(火)

この日も病院で点滴を打ち、口から餌を入れてもらいます。

病院の先生も、野良ネコを保護して通院に来ているうちのおくさまのことを察してくれ、治療費を数割りほど安くしていただけるようになりました。

先生からは日ごとに体重が減ってきていると話があり相変わらず希望は見えてきません。

 

21時ごろ、私とおくさまでシリンジから餌を与え、その時まではある程度動いていたゆきちゃんですが、一度横になったら呼吸だけの状態になり動けなくなってしまいました。

 

「いよいよもうダメかもしれない・・・

子供たちを呼んでこよう」

 

子供たちを呼びにいき、私の部屋に家族が集まりました。

20分ほど動けない状態が続いていましたが、数時間前に打った点滴と先ほどの口から入れた餌が効いてきたのか、また立って動けるようになり、危ない状態は越したようにみえました。

それでも危険な状態は変わらず、この日からはおくさまがゆきちゃんが入っているケージの横で添い寝をして見守るようになりました。

12月23日(水)

この日も殆ど餌や水を口にしません。

鳴き声を出したくても力が入らず、鳴くポーズで口を開けても「ーーーーー」と声が出てこない。

明らかに動きが少なくなり、歩くときもよろよろとし、途中でバランスを崩し倒れてしまうことが多くなってきます。

 

「いよいよダメか・・・」

 

この日になるとおくさまも私もゆきちゃんの最後が近いことを覚悟します。

 

ゆきちゃんの動きがゆっくりになってきたので朝まで持ってもらいたいと願いつつ就寝することになります。

12月24日(木)

AM5時30分、おくさまが起きた気配がしたので、目が覚めるとおくさまがケージを覗き込んでいるのが見えました。

 

「ゆきちゃんだいじょうぶ?」

 

「・・・今見たら・・死んじゃってた・・・」

(おくさまが泣いています・・)

 

「夜2時ごろ見たときは大丈夫だったんだけどね。。朝まで持たなかった・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

私も胸が締め付けられる想いで残念でなりません。

 

ゆきちゃんが亡くなったのも悲しいことですが、野良ネコだったネコを親身になって看病してくれていたおくさまの気持ちを考えると・・・

言葉になりません。

 

 

最後に

ただ街をうろついているだけの野良ネコかもしれませんがこのネコでも一つの命。

 

12歳もずっと野良ネコを続けていたこの子にとって幸せなことがあったのでしょうか。

そのままであればあの場所で死んでいたかもしれません。

おくさまが手を差し伸べて数日延命しただけの命かもしれませんが、それでも冷たい外ではなく、温かい部屋で最期を過ごすことができたのはこの子にとってせめてもの救いだったのではと思いたい。。

 

このネコにも魂があって、

「いい人生じゃなくて厳しかったけど、最後は暖かい場所に居られたなあ」

とそれだけでも思ってくれていたらいいなぁ。

 

 

会社に出かける前に部屋を片付け、数日間一緒にいたケージは畳まれ、元の状態になりました。

 

 

その日の10時に「清掃事務所」に電話をしてお昼には来て頂き、暖かそうなタオルに寝かしたゆきちゃんが入った段ボールを無料で引き取ってもらうことができました。

 

その後は清掃事務所から処理業者に引き渡され、動物専用霊園において合同火葬、合同埋葬して頂けるようです。

 

 

数日前では野良ネコだった一つの命。

たった、数日間しか診てあげられなかったけど

 

その数日間は私の家族でした。

 

 

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